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春日太一の「雪中行軍な人生」

時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。

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新連載のおしらせ

1月12日発売の週刊ポストから新連載がスタートします!!

タイトルは「役者は言葉でできている」

私がベテラン俳優の方々にインタビューをし、
そこから芸にまつわる「名言」を毎回一つずつピックアップ。
その言葉に込められた想いを掘り下げるという「役者の芸談」です。

初回は拙著新刊「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」が1月17日に発売になるのに合わせ、
仲代達矢さんにご登場いただきます。

その後も続々とベテラン名優がご登場くださることになってます。
既に三名にインタビューしており、
それぞれ3回ずつ取り上げていくことになろうかと。
そして現在も数名に取材申し込み中です。

「このひとに逢いたい、お話をうかがいたい」
という個人的な想いだけで人選しておりますので、
ぜひ「次は誰が登場するんだろう」という点でもお楽しみいただけましたら、と

どうぞ、よろしくお願いいたします。
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【長文】「鬼平」の現状に想うこと

1月4日にフジテレビ系列で「鬼平犯科帳スペシャル 泥鰌の和助始末」が放送されました。

個人的には、大好きな石橋蓮司さんの「老い」の芝居を堪能できたんで、
シンプルに満足していたのですが。
やはりマニアの方々は厳しい。

それで、「鬼平」ってなんだろう、「時代劇」って何だろうと考え込んでしまいまして。
キッカケは近藤ゆたかさんによる、以下のツイート。


~~~~~
(※前半は無関係な話なので略)鬼平もオリジナルやっちゃダメとか言うなら、もう『おにへい』にしてアニメでやるしかないじゃん、現状では。それか東京で撮るとか、京都でなら30〜40代の監督に撮らせるかだね。だって、鬼平50までしか生きてないんだし。 via ついっぷる for iPad 2013.01.05 01:48

もう「今の感覚がどう原作を捉え直すか」に活路を見出すしかないのかもしれないのでは? と思ってしまう。 via ついっぷる for iPad 2013.01.05 01:53
~~~~~

現状の「鬼平」に関して全否定ともとれる、かなり辛辣な内容でした。

新潮45の昨年4月号の拙原稿をお読みになられた方ならおわかりかと思いますが、
近藤さんの主張の基本にある想いは、自分自身もうなずける部分がありました。
が、一方でどこか釈然としないというか、モヤモヤしたものが。

で、何度か近藤さんには質問のリプを飛ばさせてもらったけど、
話は平行線のまま。
それもそのはずで、肝心の私自身が、自分で自分の感情を把握できてなかったわけで。
その点では、近藤さんには御迷惑をおかけしました。

で、昨夜(というか今朝か)は自分なりの総括として、
とりあえず以下のようなツイートをしました。


~~~~~
時代劇は「現在進行形のエンターテイメント」だと思っているし、その意味において「鬼平」は功罪の「罪」の部分も大きいということは折に触れて述べてきた。でも、時代劇の表現が本当の意味で「今」に追い付いた時、その時代劇を愛せるかどうかは自信が全くない。なぜなら「今」が大嫌いだから。 via Keitai Web 2013.01.05 06:27

正直な話、時代劇との距離のとり方が最近全く分からなくなっている。「老人から時代劇を取り戻せ」を旨に生きてきた身としては、昨夜の近藤さんのツイートには深くうなずけるところがあった。ただ、自分は「今」の役者も作り手も全く信用していない。だから、つい絡んでしまった。 via Keitai Web 2013.01.05 06:37

「怪」の失敗がトラウマになって京都での時代劇製作はさらに保守化したという側面がある。「時代劇の伝統芸能化」は、それに代わる表現を「マニア受け」以上のレベルで提示できていない次世代に責任があると思う。「時代劇の世代交代」は作品で証明して、初めて成し遂げられる。 via Keitai Web 2013.01.05 07:05
~~~~~

で、一晩寝て、スッキリした頭で考えたら、モヤモヤしていた感情の正体が見えてきました。
以下は、それを例え話として言語化したものです。

~~~~~
周辺の開発の波に耐えながら、
繁華街の目抜き通りで昔気質の職人たちが
ガンコにノレンと味を守り続けてきたことで有名な老舗トンカツ屋。

その店に行った帰りの《グルメ》な客から、
「店構えが古い」
「今風の創作料理を出せ」
「若い奴に揚げさせろ」
「そもそも揚げものなんて嫌いだ」
「こんな店つぶれちまえ」
とかいう文句を聞かされる・・・。

昨夜の近藤さんのツイートって、ようはそういうことなんですよね。

いくらなんでも、その文句はお門違いでしょう。

だって、そこがそういう店だということは、
行く前から分かってたことでしょ、っていう。

周辺に食べ物屋がそこしかなくなった状況を憂いたり怒ったりするのなら共感できるし、
新たにその繁華街に自分好みの店が出来るように願うのなら理解できるけど。
その老舗の店に「俺の好みに合わせたものを出せ」というのは理解に苦しむ。

で、反論は「初代店主はもっと尖ってた。その味に戻れ」みたいな。


ちなみに初代の時代は五年。今の店主は二十年以上。

しかも初代の頃は繁華街は食べ物屋だらけだった。
今はその店一軒だけ。
あとは、若者向けのオシャレな店と安い雑貨屋が建ち並ぶ。
あの頃と今とでは、状況がなにもかも違う。

今の店主の姿勢は、はたして「守り」に入っているといえるのだろうか。
若者向けの店ばかりが建ち並ぶようになった繁華街で昔の味に固執して、
それでもなお行列作るのってのは、時代に対して「攻めてる」とも映る。


その壮絶な戦いの葛藤に想いを馳せてこそ、《グルメ》なのではないだろうか。

あと、本気でその店に改善を望むなら、
その職人に直接文句を言うなり、
若い丁稚さんつかまえて独立をもちかけるなり、
すればいいと思うんだよなあ。

ちなみに、自分も以前はその店に言いたいことがあったから、
揚げてる本人に直接いろいろと批判的なことも言ってきたけど。
今はその店の頑固な姿勢、凄くカッコよく見えてる。
だからもう、何も言わずに黙って食べ続けたい。


まあ、少ししたらその職人さんたちもみんないなくなりますから。
その間、自分は「古臭い」と文句つけるよりも、
昔気質の味の名残りを楽しみ続けたいと思う。



・・・以上が、「鬼平」の現状、ならびに「鬼平」批判派の方々に対する、
私の偽らざる想いであります。

(自分も含め)マニアな人たちはつい新奇性に価値を求めがちだけど。
そのジャンルから「メジャー(=マニア以外の老若男女にも広く認知・信頼)」なタイトルが消えたら、
ジャンル自体が瓦解する。
「鬼平」は正月のゴールデンでスペシャルを張ることのできる希有なメジャー時代劇。
それを前提としない批判・批評には何の価値もないと思います。

オール読物で松平健さんにインタビュー!

告知その1

12月22日発売の「オール読物」新年号で、
松平健さんにインタビューさせていただいております。

師・勝新太郎との出会いやその教え、
『暴れん坊将軍』と『草燃える(北条義時)』の役作り、
新作『正月四日の客』、
そして時代劇と京都への想い……

熱く語っていただきました。

松平健さんとは十年前に初めて京都取材した際、
お酒の席を御一緒させていただいて以来の再会でした。
その宴席は斎藤光正監督もいらして、
皆様の芸談に本当に刺激され、勉強になった思い出が・・・。

どうぞよろしくお願いいたします。


告知その2

それから。
来年1月17日発売の拙著新刊
『仲代達矢が語る日本映画黄金時代』 (PHP新書)、
ついに書影ができました。


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帯にはド迫力の仲代さん!

来年1月17日以降で、
書店さんでこの表紙を目にされた方は、
ぜひともご購入ください!!!

新潮45「時代劇が廃れた本当の理由」ラスト!

12月18日発売の「新潮45」1月号に、
「時代劇が廃れた本当の理由」最終回が掲載されております。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/newest/

今回は「そして誰もいなくなった」と題し、
プロデューサー・監督・脚本家の問題点を検証しました。

やや詰め込みすぎて駆け足気味になったかもしれませんが、
この十年の時代劇状況で私が見聞きし、感じたことを、
ありのままに書いているつもりではおります。

渾身の原稿になっておりますので、
皆様、何卒ご笑覧のほど、よろしくお願いいたします。

新刊本の御案内(『仲代達矢が語る日本映画黄金時代』)

私の最新刊となります仲代達矢さんのインタビュー本ですが・・・
正式なタイトルと発売日がアマゾンに出ました
http://www.amazon.co.jp/dp/4569804187/ref=cm_sw_r_tw_dp_hTXSqb14K3KC9

『仲代達矢が語る日本映画黄金時代』 (PHP新書)

内容はタイトルそのまま、
日本映画黄金時代の人間模様を仲代さんに語っていただいております。

そして、ここではサービスで、章立てについてもいち早くご紹介しちゃいます。

~~~~~

序 章 役者になるまで

第一章 俳優デビューと『人間の條件』

第二章 黒澤明との仕事
─『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』

第三章 京都の撮影所と時代劇
─『炎上』『股旅三人やくざ』『切腹』

第四章 仏の喜八との日々
─『大菩薩峠』『殺人狂時代』『激動の昭和史 沖縄決戦』

第五章 成瀬巳喜男、木下惠介と女優たち

第六章 前衛、左翼、俳優座

第七章 五社英雄と名優たちの情念
─『御用金』『人斬り』『闇の狩人』『鬼龍院花子の生涯』

第八章 黒澤明と勝新太郎
─『影武者』『乱』

第九章 小林正樹の挫折、映画界の黄昏
─『上意討ち』『怪談』、幻の『敦煌』


~~~~~~~

・・・これだけの内容が詰まって、お値段は・・・
な、なんと700円台!

はっきり申し上げて、無茶苦茶にお得です!!

発売は1月16日。

ぜひぜひぜひ・・・よろしくお願いいたします。

新潮45「時代劇が廃れた本当の理由」その3!

11月17日発売の「新潮45」12月号にて、
「時代劇が廃れた本当の理由」第三弾を寄稿しております。

前回に引き続き「役者の不在」がテーマですが、
今回は役者サイドではなく、
「役者を育てたり活かしたりできない、監督・プロデューサーの問題」
について検証しました。

自分自身としましては、かなり勇気のいる論考でした。

皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

第25回「大衆文学研究賞」決定のお知らせ

第25回「尾崎秀樹記念 大衆文学研究賞(早乙女貢基金)」決定のお知らせ


大衆文学研究会では、優れた大衆文学、大衆文化の研究を顕彰するため、
毎年「尾崎秀樹記念・大衆文学研究賞(早乙女貢基金)」を開催しております。

2012年10月27日に第25回大衆文学研究賞の選考会が開かれ、
縄田一男会長、末國善己副会長、春日太一による選考の結果、以下の作品が受賞作と決定いたしました。


~~~~~~

大衆文学部門
   『三角寛「サンカ小説」の誕生』   今井照容   現代書館刊

大衆文化部門
   『浅草芸人』   中山涙   マイナビ新書刊
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職業:
著述業
自己紹介:
時代劇・日本映画・テレビドラマの研究家です。

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