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春日太一の「雪中行軍な人生」

時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。

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映像京都が・・・

各メディアの報道で御存じの方も多いとは思いますが、
この8月31日に映像京都が正式に解散となりました。

私もつい先日、西岡善信さんからお手紙をいただき、
あまりに辛い決定を知りました。
わが身を引き裂かれるような思いでおります。

今から8年前に修士論文の研究取材のために映像京都の撮影現場に半年間も密着させていただき、
そのスタッフワークの見事さに感動して
「この素晴らしさをより多くの方に分かってもらいたい」
と勝手に思ってしまったのが、時代劇研究家・春日太一の原点でした。

スタッフの皆さまには本当にお世話になり、
大学では絶対に知り得ない充実した勉強をさせていただきました。

いろいろな感情が去来して、まだキチンとしたことは書けそうにありません。
でも、ここ数年の京都で何か起きているのかは、一度どこかでまとめ、
憶測とは違う現実を皆さまに知っていただく必要はあると思っております。
でも、今はとても客観的に書ける精神状態ではありません。
自分にとって、故郷が消えるようなものですので・・・

組織がなくなっても、遺してこられた作品は永遠に残ります。
そして、その偉業は微力ながら私も後世まで語り継いで参ります。

私の最初の著書となった「時代劇は死なず」は、
「苦しい時代に踏ん張ったから、今まで生き残ってこれた」
というテーマで書きました。
でも、結果的には「失われた文化の記録」になってしまいました・・・

今はただ、映像京都の方々への感謝の念とともに、
過ぎ去った日々へ静かに想いを馳せたく思います。

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「眠狂四郎」DVDボックス

私がDVD解説を書きました市川雷蔵「眠狂四郎」DVDボックス

9月24日角川映画より発売になります!
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html/ref=aw_mp_1/?a=B003VU75Y0&uid=NULLGWDOCOMO


新たに取材した本邦初公開の情報を交えつつ、
ガッツリ12000字を書きました。
作品解説では12作それぞれ別の視点から書くという荒業に挑戦しております。

お楽しみに!


以下、アマゾンより転載。


~~~~~

内容紹介

●1969年に37歳の若さでこの世を去った伝説の映画役者 市川雷蔵。市川雷蔵代表作「眠狂四郎」シリーズ全12作を一挙リリース!
●過去3BOXだったものを1BOXにひとまとめに、さらに破格の価格でリリース!
●全64Pのブックレット付!市川雷蔵の写真を多数収録!解説は、「天才・勝新太郎」の春日太一氏が、当時のスタッフの証言などを盛り込み執筆!

■収録作品
1「眠狂四郎殺法帖」 (1963年11月2日) 82分 原作:柴田錬三郎 監督:田中徳三 脚本:星川清司 小杉太一郎 主演:市川雷蔵 共演:中村玉緒
2「眠狂四郎勝負」( 1964年1月9日) 83分 原作:柴田錬三郎 監督:三隅研次 脚本:星川清司 音楽:斉藤一郎 主演:市川雷蔵 共演:藤村志保
3「眠狂四郎円月斬り」 (1964年5月23日) 85分 原作:柴田錬三郎 監督:安田公義 脚本:星川清司 音楽:斉藤一郎 主演:市川雷蔵 共演:浜田ゆう子
4「眠狂四郎女妖剣」(1964年10月17日) 81分 原作:柴田錬三郎 監督:池広一夫 脚本:星川清司 音楽:斉藤一郎 主演:市川雷蔵 共演:藤村志保
5「眠狂四郎炎情剣」 (1965年1月13日) 83分 原作:柴田錬三郎 監督:三隅研次 脚本:星川清司 音楽:斉藤一郎 主演:市川雷蔵 共演:中村玉緒
6「眠狂四郎魔性剣」 (1965年5月1日) 75分 原作:柴田錬三郎 監督:安田公義 脚本:星川清司 音楽:斉藤一郎 主演:市川雷蔵 共演:瑳峨三智子
7「眠狂四郎多情剣」(1966年3月12日) 84分 原作:柴田錬三郎 監督:井上 昭 脚本:星川清司 音楽:伊福部 昭 主演:市川雷蔵 共演:水谷良重(水谷八重子)
8「眠狂四郎無頼剣」 (1966年11月9日) 79分 原作:柴田錬三郎 監督:三隅研次 脚本:伊藤大輔 音楽:伊福部 昭 主演:市川雷蔵 共演:藤村志保
9「眠狂四郎無頼控 魔性の肌」 (1967年7月15日) 87分 原作:柴田錬三郎 監督:池広一夫 脚本:高岩 肇 音楽:渡辺岳夫 主演:市川雷蔵 共演:鰐淵晴子
10「眠狂四郎女地獄」 (1968年1月13日) 81分 原作:柴田錬三郎 監督:田中徳三 脚本:高岩 肇 音楽:渡辺岳夫 主演:市川雷蔵 共演:高田美和
11「眠狂四郎人肌蜘蛛」(1968年5月1日) 80分 原作:柴田錬三郎 監督:安田公義 脚本:星川清司 音楽:渡辺宙明 主演:市川雷蔵 共演:緑 魔子
12「眠狂四郎悪女狩り」 (1969年1月11日) 81分 原作:柴田錬三郎 監督:池広一夫 脚本:高岩 肇/宮川一郎 音楽:渡辺岳夫 主演:市川雷蔵 共演:藤村志保

■映像特典:劇場予告編、スタッフ・キャスト解説、フォトギャラリー

■封入特典:眠狂四郎 64P特製ブックレット(眠狂四郎 写真集、公開当時の資料、春日太一氏解説ほか)
 

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

円月殺法を使うニヒルな浪人・眠狂四郎を市川雷蔵が演じた、エロチシズムと猟奇あふれる娯楽時代劇「眠狂四郎」シリーズのBOX。『眠狂四郎殺法帖』『~勝負』『~円月斬り』『~女妖剣』『~炎情剣』『~魔性剣』ほか、シリーズ全12作品を収録。

懐かしの一日

8月18日は不思議な一日でした。

徹夜して書いた原稿のテーマが「『影武者』事件の真相」

昼からの打合せで最も出た話題が夏八木勲と角川映画。

夕方から入ったマッサージの先生との会話がスケバン刑事。

帰宅して野球中継を見れば浜スタのベイスターズが大洋ホエールズの濃紺ユニフォーム。
内川の応援歌が高木豊。
武山は市川。
村田は田代。
スレッジはローマン。
下園は屋鋪。
藤田は高橋雅の「グリーングリーン」。

夜のテレ東「水曜シアター9」にはジャッキーとユンピョウとマイケルホイと広川太一郎の映画。

さまぁ~ずの番組でのブラマヨ小杉のツッコミは
「シンディローパーちゃうねん」「ゴーバンズのボーカルちゃうねん」

夜中にスカパーつけてみれば夕樹舞子が映ってる・・・

たたでさえ昔のことばかり仕事にしているから、
自分が2010年に生きてることを忘れてしまいがちなんだけど、
オフでもここまで重なるのは珍しい。

ちなみにテレ東「水曜シアター9」は「プロジェクトBB」。
三大スターを往年のままの声優さんたちが当てていたが、
広川先生は恐らく最後のマイケルホイだったのでは。
もちろんかつての切れ味は望むべくもなかったが、
それでもあえて広川先生をマイケルホイに充てたスタッフの「吹き替え愛」には拍手をしたい。
映画と全く関係ないのにOPとEDに「スパルタンXのテーマ」をブチ込んだ勇気も含め。
おかげで燃えさせてもらいました。

でも、終わっちゃうですね、テレ東ゴールデンの洋画枠・・・
ラストは「殺人救急車・地獄のホスピタル」で締めてもらえてくれたら嬉しいです。
21世紀過ぎてもゴールデンでゾンビ映画やってくれたのは嬉しかったです。
お世話になりました。
ありがとう!

「午後のロードショー」だけは残してください。
もちろん「三越テレショップ」込みで!

しかし・・・

とにかく肝心の原稿を書く側に金が流れてこない。

二言目には

「予算がないもので」


これほど怪しい言葉はない。

そんなこと言いつつ、
偉い人が関わったりすると、
やれ接待だ、打ち上げだと言いながら、
わざわざ高い店に連れて行って酒とか食べ物とかオゴッて、
タクシー券まで渡して・・・

金、あるやん!

胃袋に流され、そして排泄されるだけのビールや寿司や焼き肉に払う某大な金・・・

せめてその1割でもいいから、
予算を実作業に回してもらえないものなのか。

原稿料・・・とは言わないが、
せめて取材費やテープ起こし代に回してもらえんものだろうか。
それで、どれだけ作業が楽になるか。
どれだけ生活が助かるか・・・。

「経費」の枠組みの融通の利かなさには呆れさせられる。

どうでもイイところに金が流れて、
一番必要としているところに回ってこない・・・

国家の縮図をつくづく痛感する今日このごろ。

戦争映画を語る

PHPより発売中の雑誌「VOICE」にて、
片山杜秀先生、小熊英二先生に交じって、
若輩者の私が戦争映画を語らせていただきました。

http://www.php.co.jp/magazine/voice/

両先生の鋭い御意見の数々により(私の話はさておき・・・)、
スリリングかつ、いろいろと視座に富んだ鼎談になっているかと。

自分としては笠原和夫、山本薩夫、「血と砂」を思い切り語れたので、
それだけで自己満足しております。

私がリストアップした10本の映画は、
小難しくなく、映画として楽しみながら戦争を学べる作品ばかりになっていますので、
原稿と併せまして、この季節に「日本の来た道」を振り返ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに、今回の写真うつり、我ながら抜群に良いです。
5~8割増しに撮れています。

あと、同誌で連載されている気鋭の経済学者・飯田泰之氏は
私の高校時代の先輩で、
学生時代にはいろいろとお世話になりまして・・・。
十代の頃から凄かったですが、
怜悧な分析力は切れ味を増してますね。

まあ、そんな感じですので、
よろしくお願いいたします。

夏だ、京都だ、酒だぁ~っ!

京都で次回作の詰めの取材中です。

例年のハードな暑さを覚悟していましたが、
今のところは東京より過ごしやすい感じです。

今日は取材の帰りに京都駅ビルに立ち寄り、
試飲させまくってくれる行きつけの酒販売コーナーに参りました。

で、新たに作り変わった店には酒蔵直営のスペースがあり、
例によって勧められるままに飲みまくったのですが。
ここはキツ目の辛口メインらしくて、実に体に合うんですな、これが。
中でも今朝に出荷したての生酒が抜群でして、
つい購入してしまいました。

もちろん生酒なんで今夜中に飲むべしということで、
デパ地下のタイムサービスで購入した諸々の肴と共にホテルの部屋でガンガン飲んでいるとこです。

これがハードな辛口なのに、
なぜか水のように体に入ってくるんですわ。
大吟醸で辛口。
ええ。「危険な酒」です。

城陽酒造。
http://www.joyo-shuzo.co.jp/

ジュースみたいな甘ったるいツマラン日本酒が持て囃される昨今にあって、
辛口の凄味を再確認させてくれる、
男の酒蔵です!!

鬼平、京都へ行く

更新が滞りがちで申し訳ないです。
なかなか現時点では書けないネタも多いもので。

というわけで、お馴染みの(?)告知をば。

今日発売の「オール読物」8月号の京都特集で
記事を書かせていただいております。

タイトルは「鬼平、京都へ行く」

御好評いただきました6月号に引き続き、
テレビ版「鬼平」の検証をしております。

テレビ版「鬼平」は今の吉右衛門で四代目ですが、
それまでは東京(一部は大船)で撮られていて、
吉右衛門版になって初めて京都で撮影されるようになりました。

では、
なぜ京都で撮影することになったのか。
そして、京都に行って何が変わったのか。

・・・そのあたりを検証してみました。

一部の時代劇ファンの間では
「鬼平は同じ脚本が代々受け継がれてきた」
てな根拠のない俗説がまことしやかに語られていますが、
実は吉右衛門版になってからは
担当の脚本家すらガラッと変わっているエピソードも少なくありません。

そのあたりにも着目しながら、
京都の情景が豊かなドラマを生み出す
てな話をしております。

もし、よろしかったら。
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職業:
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自己紹介:
時代劇・日本映画・テレビドラマの研究家です。

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