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春日太一の「雪中行軍な人生」

時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。

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藤田まことさん……

藤田まことさんが今朝お亡くなりになりました・・・・・・。

藤田さんとは「剣客商売」を取材させていただいた時に
何度かお話しをさせていただきました。

当時は、ほとんど実績のない駆けだしの身でしたが、
「テレビ時代劇史の研究をしている大学院生」という肩書を面白がっていただきまして。
スタジオやロケ先で撮影の合間に私の姿を見つけては隣に来られて、
いろいろと芸談をお聞かせ下さった思い出は、一生の宝物です。

同時に、どこの馬とも分からない私のようなチンピラにもお気を使われる姿に、
50年近くを芸能の第一線に立ち続けてきた男の凄味も感じました。

ある男から
「藤田さんからの聞き書きを中心に据えた書籍を」
という企画が持ち込まれたということもありました。
が、
持ち込んできた人間の薄汚い心根に嫌気がさして、
途中で降板してしまったんですよね・・・。
もう少しマトモな編集者と組めていたら、
さぞや充実した聞き書きが出来ていたろうに、と思うと、
未だに悔しい想いを引きずっていたりします。

今日はこれから、「必殺仕置人」の第一話を拝見して、偲ばせていただきたく思います。

いきるな。いきるな。男三十過ぎていい格好しようなんざ、落ち目になった証拠よ

中村主水に、もう一度お会いしたかった・・・。

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大ヒット御礼!


御好評いただいております拙著「天才 勝新太郎」ですが、

おかげさまをもちまして、

3刷目決定となりました!!


この不況のさなか、この無名の物書きの著作をお買い求めいただき、
感無量です!

このブログのタイトル通り、
八甲田山の雪中行軍の如き先の見えない過酷な毎日でしたが、
これで少し報われたような気がしております。

皆さま、本当にありがとうございましたっ!!

大滝秀治を見よ!

文春の編集担当I女史に誘われ、
昼から劇団民藝の舞台「巨匠」の千秋楽へ。

いやあ、凄かったです、大滝秀治。

余計な芝居を入れずに、ひたすらシンプルに伝える姿勢に感銘。
ちょっとした動作だけで一瞬のうちに舞台の空気を変えてしまうといいますか。
空間から他の一切が消えて、
まるで客席の自分と直接に相対しているような錯覚に浸り、興奮してしまった。

さすがに「勝新太郎が最も信頼した役者」の一人だけある。
(ちなみに大滝は勝の初監督作「顔役」で初めて映画の大役に抜擢。
以来、本格的に映画界に参入し、
勝の第二回作「折れた杖」でもラスボス役で出演。
「子連れ狼」との東宝二本立て時代は大滝を若山富三郎と取り合いになったという)

なんか最近の舞台は内輪受け狙いの小芝居ばかりで辟易していただけに、
久々に本物の迫力を体感できて幸せだった。

ここんとこの舞台って、
「いかに細かく埋めていくか」
ばかりに気が行き過ぎている。
でも、そうじゃないんだよなあ。

じっくり溜める。じっくり伸ばす。
たたずまいだけで魅せる。
そういうユッタリとした芳醇な空間こそ舞台に欲しい。

ホント気ぜわしい芝居ばかりになりました。

今の役者さんたち、つまらんエッセイやブログを書いてるヒマがあったら、
こういうレジェンドたちの舞台や芸談に触れるべきかと。

「昔のこと」ってだけで敬遠してたらモッタイナイ!

今とは比べものにならないほどの刺激がそこにはある。
今かかえている答えのヒントはいつも過去にある。

最低限、私はいつもそんな思いを込めて本を書いていたりする。

「昔、こんなに命を賭けた人(たち)がいたんだよ。
あなたたちはどうなの?
もっと戦おうよ!」
と。

素晴らしき侍、滝田栄さん

2月6日の時代劇専門チャンネル建長寺イベントに御参加の皆さま、ありがとうございました!

 
こちらはというと、
ほぼ徹夜状態で臨んだものの、緊張感もあり眠気はゼロ。

前半は、慣れない「回し役」への戸惑いと
時間との戦いで
かなりテンパり気味でした。

が、

それを助けてくれたのが、隣に座る滝田栄さんの熱さ!

通りの良い声で、まっすぐな目線で語られるお話しの数々に、
こちらもつられてヒートアップ!

午後の後半からイイ感じにドライブが利いて熱い感じに。

が、時折、加速つきすぎてしまい
「なんで源氏は滅びたのでしょう・・・」とか、
即答のしようのないことを聞いてしまったが。

中島丈博さんのお話しも含蓄に富み、
物語の縦糸である
「北条義時(松平健)vs伊東祐之(滝田栄)」

「人間の光と影が交錯する」という図式の元ネタが
「アドルフに告ぐ」だったことなど発見も多かったです。

打ち上げで滝田さんの披露された佐藤慶のヤンチャ話や、
藤岡弘や榎木孝明を居合いの道に引きずり込んだ張本人が滝田さんだった、

など本番以外にうかがったエピソードも盛りだくさん。

本番では用意した筆問の10分の1も消化できなかったが、
その分、濃度は濃かったかと。

何より、滝田さんの生きざまがリアル宮本武蔵だったことに感動。
これは、いつかどこかでガッツリと書きたい。

彼のようにガチで熱い役者を生かしきれないあたりに、
今の日本映画・テレビ界の薄っぺらさが如実に表れているとも痛感。

いざ鎌倉!


まだ少しばかり気は早いですが・・・

来たる2月6日(土)に鎌倉建長寺にて開催される時代劇専門チャンネル主催イベント
「第二回 時代劇寺子屋」の最終確認となる打ち合わせを昨日終えました。

計4時間に及ぶトークイベントだけに、台本も資料もドッサリ。
しかも人生初の進行役!

さらに眼前には3人の大御所先生たちと200人近いお客さん・・・

無事に帰還できたら、ホントに自分をほめてやりたい。

人見知りの激しい、引きこもりだった10~20代の自分が嘘のようだ・・・

待ち遠しいDVD


愛しのフライシャー監督の傑作「絞殺魔」がようやくDVDになるみたいですね。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0030FZU7K/anutpanna-22/ref=nosim/

WOWOWのフライシャー特集の時に録画したから、
わざわざ購入しないでもイイんですが、

またしても「二ヶ国語」の罠が・・・

トニー・カーティスに広川太一郎。
ヘンリー・フォンダに小山田宗徳。


こりゃ、買うしかないわな・・・

重版決定!!

1月20日に刊行されました拙著「天才 勝新太郎」(文春新書)が
重版されることになりました!!

9784166607358.jpg







「時代劇研究家」を名乗って、はや幾年。
思えば、理不尽な先入観との戦いの日々でした。

「映画の本は当たらない」
「時代劇の本は出したくない」
「スタッフの話なんて地味でマニアックなのが受けるわけないでしょ」
「勝新太郎?そんな酔っ払いの話、誰も興味ないよ」
「若いんだから、そんな古い話、やめたら?」


・・・・・・そんなはずはない!

自分が取材してきた内容は絶対に多くの方に楽しんでもらえる。
彼らの声を、その仕事の凄まじさを、一人でも多くの方々に伝えたい。
絶対に何らかの感動をしてもらえるはず。
なぜなら、取材を通して自分がこれだけ感動できたのだから。
・・・・・・その信念だけでここまでやってきました。

これでようやくホッと息を吐くことができます。
自分の信念は間違っていなかった、と。


私を温かく、いや、熱く迎え入れていただきました文藝春秋新書編集部の皆さま。

惜しみない御協力を下さった取材協力者の方々。

世代・職業を超えて私を支えてくれる仲間たち。

そして、拙著をお買い求め下さった読者の方々。

…・・・本当にありがとうございました!!

そして、今後とも引き続きのご愛顧、御指導、御鞭撻のほど、
よろしくお願いいたします!!
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春日太一の「雪中行軍な人生」

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性別:
男性
職業:
著述業
自己紹介:
時代劇・日本映画・テレビドラマの研究家です。

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