時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。
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各メディアの報道で御存じの方も多いとは思いますが、
この8月31日に映像京都が正式に解散となりました。
私もつい先日、西岡善信さんからお手紙をいただき、
あまりに辛い決定を知りました。
わが身を引き裂かれるような思いでおります。
今から8年前に修士論文の研究取材のために映像京都の撮影現場に半年間も密着させていただき、
そのスタッフワークの見事さに感動して
「この素晴らしさをより多くの方に分かってもらいたい」
と勝手に思ってしまったのが、時代劇研究家・春日太一の原点でした。
スタッフの皆さまには本当にお世話になり、
大学では絶対に知り得ない充実した勉強をさせていただきました。
いろいろな感情が去来して、まだキチンとしたことは書けそうにありません。
でも、ここ数年の京都で何か起きているのかは、一度どこかでまとめ、
憶測とは違う現実を皆さまに知っていただく必要はあると思っております。
でも、今はとても客観的に書ける精神状態ではありません。
自分にとって、故郷が消えるようなものですので・・・
組織がなくなっても、遺してこられた作品は永遠に残ります。
そして、その偉業は微力ながら私も後世まで語り継いで参ります。
私の最初の著書となった「時代劇は死なず」は、
「苦しい時代に踏ん張ったから、今まで生き残ってこれた」
というテーマで書きました。
でも、結果的には「失われた文化の記録」になってしまいました・・・
今はただ、映像京都の方々への感謝の念とともに、
過ぎ去った日々へ静かに想いを馳せたく思います。
8月18日は不思議な一日でした。
徹夜して書いた原稿のテーマが「『影武者』事件の真相」
昼からの打合せで最も出た話題が夏八木勲と角川映画。
夕方から入ったマッサージの先生との会話がスケバン刑事。
帰宅して野球中継を見れば浜スタのベイスターズが大洋ホエールズの濃紺ユニフォーム。
内川の応援歌が高木豊。
武山は市川。
村田は田代。
スレッジはローマン。
下園は屋鋪。
藤田は高橋雅の「グリーングリーン」。
夜のテレ東「水曜シアター9」にはジャッキーとユンピョウとマイケルホイと広川太一郎の映画。
さまぁ~ずの番組でのブラマヨ小杉のツッコミは
「シンディローパーちゃうねん」「ゴーバンズのボーカルちゃうねん」
夜中にスカパーつけてみれば夕樹舞子が映ってる・・・
たたでさえ昔のことばかり仕事にしているから、
自分が2010年に生きてることを忘れてしまいがちなんだけど、
オフでもここまで重なるのは珍しい。
ちなみにテレ東「水曜シアター9」は「プロジェクトBB」。
三大スターを往年のままの声優さんたちが当てていたが、
広川先生は恐らく最後のマイケルホイだったのでは。
もちろんかつての切れ味は望むべくもなかったが、
それでもあえて広川先生をマイケルホイに充てたスタッフの「吹き替え愛」には拍手をしたい。
映画と全く関係ないのにOPとEDに「スパルタンXのテーマ」をブチ込んだ勇気も含め。
おかげで燃えさせてもらいました。
でも、終わっちゃうですね、テレ東ゴールデンの洋画枠・・・
ラストは「殺人救急車・地獄のホスピタル」で締めてもらえてくれたら嬉しいです。
21世紀過ぎてもゴールデンでゾンビ映画やってくれたのは嬉しかったです。
お世話になりました。
ありがとう!
「午後のロードショー」だけは残してください。
もちろん「三越テレショップ」込みで!
PHPより発売中の雑誌「VOICE」にて、
片山杜秀先生、小熊英二先生に交じって、
若輩者の私が戦争映画を語らせていただきました。
http://www.php.co.jp/magazine/voice/
両先生の鋭い御意見の数々により(私の話はさておき・・・)、
スリリングかつ、いろいろと視座に富んだ鼎談になっているかと。
自分としては笠原和夫、山本薩夫、「血と砂」を思い切り語れたので、
それだけで自己満足しております。
私がリストアップした10本の映画は、
小難しくなく、映画として楽しみながら戦争を学べる作品ばかりになっていますので、
原稿と併せまして、この季節に「日本の来た道」を振り返ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、今回の写真うつり、我ながら抜群に良いです。
5~8割増しに撮れています。
あと、同誌で連載されている気鋭の経済学者・飯田泰之氏は
私の高校時代の先輩で、
学生時代にはいろいろとお世話になりまして・・・。
十代の頃から凄かったですが、
怜悧な分析力は切れ味を増してますね。
まあ、そんな感じですので、
よろしくお願いいたします。