遅ればせながら、
紀伊国屋サザンシアターに
劇団民藝「どろんどろん」を観劇してきました。
「四谷怪談」初演をめぐる内幕モノを、
「戸板返し」の仕掛けを初めて作った職人たちの立場から描いた作品。
有名な役者・戯作者と無名な裏方たちの意地とプライドをかけたぶつかり合いに、
泣き・笑い、そして震えました。
名作の陰には目には見えない裏方たちの創意工夫がある。
そこには彼らならではの戦いとドラマがある。
こうした視点やテーマは
自分の次回作、次々回作、次々々回作のまさにそれ
(というか前作、前々作もそうか
・・・というか自分の物書きとしての視点やテーマがそこにあるんだわな、結局)
なだけに、大いに刺激を受けました。
劇の喝采の裏側にある名もなき人々のドラマ。
やっぱりいいよなあ、とつくづく。
それからやはりなんといっても大滝秀治の存在感。
硬軟自在にいろんな感情を自在に瞬時に表現しながら、
「頑固だけど粋で器が大きい」「昔気質な江戸っ子」
鶴屋南北を見事に演じたんですが。
そこにいるだけで圧倒的な何かを醸し出しながら、
決して支配的でない。
本当に自然物のようのそこにいる。
「風のような存在感」というとクサイ例えな感じもするが、
まさにそんな感じでした 。
やっぱり「本物の役者は凄い!」と改めて思しましたよ。
毎回、民藝さんは心地よいツボを押してくれます・・・
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