時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。
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新聞とかテレビにコメントを提供するのは、もうヤメにしよう。記者にとって都合のイイような、真意と違う形でしか載らない。今朝の朝日新聞に掲載の『平清盛』への私のコメントでは、実際に話したのは前半だけ。後半の「映画のようなリアル~」「視聴率云々」は記者が勝手な解釈で酷い要約をしている。posted at 13:36:19
特に「映画のようなリアルさ」なんてバカげた言葉、自分が使うわけがない。明らかに記者の造語。画面についての説明をした際、何度も「つまり映画のようなリアルさを求めたんですよね?」と聞いてきたし。それに自分がうなづいたならまだしも、「いやそうじゃなくて・・・」とキチンと否定している。posted at 13:43:02
とりあえず「遺憾の意(笑)」を伝えるメールを記者にはしといた。なぜ自分が怒っているか、ヤツには伝わらんだろうけど。posted at 13:59:13
件の記者から謝罪の電話が来たので、証言取材の際に録音での確認をしないでメモだけで原稿にすることの危険性を教えておいた。posted at 15:43:37
【拡散希望】今朝の朝日新聞に掲載されている『平清盛』記事での私のコメントですが、後半の「映画のようなリアルさ」「視聴者の違和感」は記者の解釈で書いたもので私の発言ではありません。実際には視聴率低迷の原因は「実際のところは統計調査しないと分からない」とし、脚本の問題を指摘しました。posted at 15:59:28
記者の取材に対して『平清盛』に関して話したことは「視聴率の議論には関わりたくない」「16:9の画角に合った演出を模索する近年のNHKドラマの傾向の一つ」「ワイド画面・ハイビジョン対策で画面の情報密度を濃くしたけど、脚本も饒舌だから情報過多で疲れる視聴者も多いのではないか」という話posted at 16:22:48
それから。「『坂の上の雲』ですら低視聴率だったことを考えると『江』の不出来などで視聴者がNHKを見放しつつあるのかもしれない。が、これはキチンと世論調査でもしないと確たることは言えない。この件は時代劇の未来にも大事なので、一般視聴者がどう捉えているのか大々的に調査してほしい」と。posted at 16:25:48
朝日の記事のコメント、読み直したら前半の「ハイビジョン化で映像が鮮明になりすぎ、時代劇の衣装やセットがウソっぽく見えるようになってきた」も後に続く「だから『清盛』はウソっぽくならないよう、あえて汚して鮮明さを押さえた」がカットされてるんだ。これじゃ「清盛」が「ウソっぽい」みたい…posted at 17:07:05
今朝の朝日新聞の記事を読まれた方にお願いです。あのコメントをもって「時代劇研究家・春日太一はこんなヤツ」とは思わないでください。あれは記者が勝手に解釈してまとめた、私の意見とは程遠いものです。著作に対しての御批判はいくらでも承りますが、言ってもいないことで判断されるのは……。posted at 17:56:50
なぜ自分が取材を受けたかの経緯を説明しますと。記者「なぜ『清盛』の視聴率が悪いと思いますか」私「マスコミって普段はテレビの視聴率至上主義を批判する割に、自分達が視聴率の話題ばかりしてますね。呆れます」記者「ではそうした事象から離れて純粋に作品を評価していただけましたら、と」…続くposted at 19:11:41
(承前)私「『清盛』の演出の試みは時代劇の未来を切り開く上でとても大事な実験だと思うので、それについての話でよければ」記者「お願いします」⇒ワイド画面・ハイビジョン化による時代劇製作の苦労と、それに対するNHKのここ数年の試み、画面と脚本の相性の悪さ、大河のここ最近の劣化を説明…posted at 19:16:49
(承前)もちろん、全てノーギャラで、「せっかくの時代劇変革の萌芽が、こんな形で摘まれてはたまらん」という想いで取材を受け、その想いも記者には十分に説明しました(はず)。で、出来た記事がこれ⇒http://t.co/MZb47emw posted at 19:22:44
(承前)で、このコメントの何が問題かというと。その1:知事の話を受ける形で自分のコメントが入っているので、まるで知事の妄言を自分が補強しているようにとられかねない文脈に。posted at 19:29:18
(補足:自分は取材時、知事の発言にもそれを取り上げるメディアにも批判的な立場から見解を述べています)
問題その2:「ハイ ビジョン化で映像が鮮明になりすぎ、時代劇の衣装やセットがウソっぽく見えるようになってきた」から「『清盛』は画面を汚した。その意図は評価できる」と語ったのに、後半部がカットされたので「『清盛』がウソっぽい」というニュアンスに改変されている。posted at 19:30:32
問題その3:「具体的に語る」ことを旨として《研究家》を名乗る自分が「映画のようなリアルさ」などというボヤけた抽象的な一般論は絶対に使わない。完全な記者の造語。posted at 19:33:22
問題その4:同じく「確証のないことには言及しない」方針の自分が結論を「だろう」で終えることは絶対にない.。posted at 19:35:07
問題その5:「違和感を感じた視聴者が離れてしまったのだろう」と記事にあるが、低迷の原因は「実際の視聴者に聞かないと分からないでしょう」とした上で「映像が濃密な上に脚本が饒舌だから自分は観ていて疲れる時もある」とは言ったが、「視聴率低下の原因がその映像にある」とは全く言っていない。posted at 19:40:11
朝日に抗議したところで意味がないので、ここで自己防衛をしています。実際の記事をお読みになって「この程度のことなら気にしなくても・・・」という方がいるかもしれないので、何が問題なのか説明させていただきました。せっかくの週末にお目汚ししまして、申し訳ありません。posted at 19:47:22
そうだ。朝日の記者にもう一つ大事なことを話していたんだ。「作品に対する評価は最終回が終わるまでするべきではない。だから現時点で作品内容云々を評するつもりはない。ただ、現場サイドの試みに関しては応援したい」と。まあ、ほんと何も伝わってなかったということだ。 ついっぷる/twipple 2012.04.22 18:10
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まあ、「記事の事前確認をさせてくれるかどうか」を確認し忘れた自分のポカでもあるわけですが・・・。
今回のことは正直、呆れました・・・。
自分が特に危機感を抱くのは以下の3点です。
1.自分は『清盛』に関して肯定的立場からコメントしたにもかかわらず、
否定派(しかも低次元の)の代表的意見に仕立てあげられている。
2.「映画のようなリアルさ」などという抽象的な表現は自分は絶対に使わない。
ここは明らかに記者の勝手な解釈で改変されている。
(そもそも自分は映画=リアルなどという単純な考えは持っていない)
3.「視聴率の議論には関わらない」とした上で取材を受けたにもかかわらず、
自分が視聴率低迷の原因に(しかも実際には指摘していない論点で)言及したことになっている。
自分は自分なりに真摯な姿勢で、人生を賭けて時代劇研究をしています。
なので、「新聞の都合で自論を曲げてでもコメントするインチキ評論家」と思われるのは何より耐えがたく。
また、これまで応援・支援してくださった方々からも誤解を抱かれかねない。
なので自己防衛のため、このような形で真意を説明しました。
※朝刊でなくて夕刊だそうです。
ただ、実際の紙面記事の大小は関係ありません。
私が危機感を抱くのは、
朝日の公式サイトにアップされ(下手すればyahooニュースに載りかねない)、
それが各所でコピペされまくっている現状なので、
その辺は御容赦を。
新聞だけなら「一日の辛抱」で済みますが、
ネットで拡散されると残り続けることになりますので・・・。
ちょうどこの記事を読んでいて違和感を感じていたところでした。そういう経緯があったんですね!何かおかしいと思いました。心中お察し申し上げます。
憤ることが多いかもしれませんが、
今後の活動の糧にして下さい!
ツイッターで拾い読みしてる者です。先生の 時代劇にかける情熱は十分に伝わって来る文章でした。平清盛はミキプルーン無双までは面白かったんですけどね〜。
新聞屋を真に受ける人はもはや少数派だから気にしないことです。
このクオリティが朝日新聞ですからね。
自分も10年以上前に曲解記事で非難を受けたことがありました。
本来の「平清盛」に関するお話をもっと聞きたいところです。
恐らくこういうことが日常的に行われているのでしょうが、それにしてもひどい話ですね。真摯に対応された分怒りも一塩でしょう。時代劇変革の萌芽、私も期待しております。
何だか視聴率低迷に追い打ちをかけるような記事だと思っていたところでした。そういうことだったのですね。理解しました。視聴率を以て評価をするマスコミの姿勢には常々不愉快に感じています。まっとうな評論をこれからも続けてください。
ひどい記事ですね。私は大河ドラマを20年来
見ていますが、「天地人」「江」の酷い作品を
見せられ愛想尽かしておりました。
「坂の上の雲」が見られるだけNHKには感謝しましたが。
さて、「平清盛」ですが私は楽しみに見ています。
実力者の演者が多くて見ごたえがあります。
私も先生の本来の意見がもっと聞きたいです。
朝日の記事を見て、すぐ気づきました。「ああ、朝日の記者、やりやがったな」と。春日さんの読者ならすぐわかるはず。
私自身も経験ありますが、近年の新聞・雑誌の記者・編集者って、取材対象に対する興味や関心で取材しているのではなく、上司に〇〇の談話とっとけ! と言われたから、インタビューしているだけなんですよね。だから、実際に話を聞く前に、もう答えができている。自分と上司との間で通用する「模範解答」ができてしまっていて、あとは識者と称する人にその答えに近いことを話してもらえば(自分が話してもらった気になれば)、もうあとはマス目を埋めるだけ。
いくら上司の命令でも、せめて取材対象に興味くらい持とうよ!
あと、敬意もね。
NHK大河ドラマ 平清盛 に対して視聴率低迷に関するネットの報道が多いことに違和感を感じていました。
自分は面白い作品だと思う。 でもネットの【視聴率至上主義】的文面が結果、視聴率を下げている様にも思う。
納得です。
漫画家の仕事場に着くと、かれは硬い表情で、わたしを迎えてくれた。新聞のコメントについて尋ねたところ、「でたらめだよ。あの記事は」と即座に言い、「朝日の記者が電話をかけてきて、『これこれに関して、あなたは古臭い因習だと思ってますよね』と訊いてきたので、『そんなことはない。ぼくは、それはいいことで、美談だと思っている』とはっきり答えた。なのに、新聞には正反対のことが書かれている。これはひどい。だから、さっきマネージャーに抗議をしてもらった」と、つづけた。
「それで、どうなったんです?」とわたしは問うた。
「記者はコメントをねじ曲げたことを認めたよ」と漫画家は答えた。
「じゃあ、訂正が載るんですか?」
「それが、だめなんだ」漫画家は言った。「記者が言いきったよ。『誤りは認めるが、朝日は訂正を載せません』と」
「そんな馬鹿な!」とわたしは叫んだ。だが、それは事実だった。朝日は訂正を載せなかった。
わたしが朝日新聞の購読をやめたのは、その日のことである。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/cmt/d18221f1907d8c5e2b9e9094a6cb48a1
京都女子大学の先生で、中世前期を専門とする野口実という先生がいて、その研究室の掲示板に、以下のような記事が出ていました。
http://donkun.ath.cx/bbs/
美川圭先生という、これも院政期を専門とする研究者の方が、毎週のように大河ドラマ「平清盛」についての批評(ほとんどは非難、否定)をしているのですが、今回は例の朝日の記事を見て、コメントした識者や番組スタッフをも砲撃しています。
春日さんのセリフ(とされる文言)も一刀両断されていて、しばらくして春日さんのツイッターかブログを見たと思しき学生さんからの指摘で、どうも春日さんの真意とはかけ離れた記事だったと気づいたようです。
それはそれで、一応、誤解は解けて解決したとみなしてもいいと思うのですが……。
それにしても、美川先生、なぜにここまで番組関係者に対して誹謗ともいえる悪罵を口にしなければならないのでしょう? 院政期の研究については定評のある先生ではあるのですが、映像作品の作劇術や脚本についての技術的な問題に通暁しているわけでは絶対にないでしょう。それが、かりそめにもプロの製作者に対して、単なる批評を超えた「叩きまくり」をするという点に不審を感じます。
大体がそんな大げさな問題じゃなく やはり役者のレベルの低さというか 今わもうきちんとした台詞を喋ることができる役者がいなくなったし演技力にも問題があると思う、勿論脚本にもなみがしかの問題わかんじられるが
新聞のテレビ批評は、あきらかに「批判を前提とした」記事が多いですね。とくに、大河は毎年かならず批判記事がでます。
はっきり言って、新聞の妬みにしか見えないのですが、
さらに、はらただしいのは、その記事をもとに週刊誌が話を広げていくことです。
それを、大河に興味ない人が見て、さらに負のイメージが拡大・定着していくという悪循環ができあがっているような気がします。
(だから、視聴率が毎年上がらなくてもあたりまえかと。興味ない人はますます興味なくなっていくのだから・・・)
そのような流れに、コメントがいいように使われてしまうのは、口惜しいかと思います。
個人的には、大河のようなコンテンツは視聴率だけで優劣を測るのはちょと違う気がします。
2010年2月、鎌倉・建長寺での「草燃える」の講演会にいた者です。
「時代劇」に対する春日さんの真摯さ・敬意に感服してます。
「平清盛」も好きな俳優さんが数多く出ており、楽しみにしてます。
ただ「視聴率の低さ」は、視聴者が「歴史」を学ぼうとしないという意向が見えています。
もし「草燃える」を今、再放送しても内容や時代背景の難解(Ex.名前の呼び方)で混乱して、残念ながら「高視聴率」を出せないと思います。
「平清盛」のある出演者の方は時代背景のため、「草燃える」をご覧になったようです。
その方の努力を買うつもりで、今後も視聴します。
「草燃える」、歴代大河第1位の同士として。また大原誠さん・中島丈博さん・滝田栄さんの意思を受け継ぐ方として応援しております。