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春日太一の「雪中行軍な人生」

時代劇・日本映画・テレビドラマなどの研究家・春日太一のブログです。

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香取慎吾の座頭市の感想文について、今さらながらの真相

以前、このブログで香取慎吾版の「座頭市」について書いたことがあります。
http://jidaigeki.no-mania.com/Entry/34/

それ以降、今でも「春日は香取座頭市を褒めている」という声をチラホラ聞きます。

しかし、これを読んでもらうと分かると思いますが、内容は全く褒めてないです。
ただ、書いてある通り、
スタッフワークと俳優陣は今でも本当に悪くなかったと思っています。

一つ残念だったのは、
香取慎吾の記述が結果として多くの方にピンと来ないものになってしまったこと。

実はパンフで殺陣師の菅原俊夫さんにインタビューをさせていただいた際、
香取の壮絶な役作りを聞いて感銘を受けたんですよね。
で、その勢いで本編を見て、こちらも心を動かされた。

ところが、実際のパンフでは
香取の役作りや現場でのハード過ぎる撮影ぶりのエピソードは
全てカットさせられてしまいまして。

なので、
「なぜ春日がこうも香取を評価しているのか」
自分と菅原さん以外には誰にも理解できない状況になってしまいました。

ただ、菅原さんほどの男が惚れ抜いた男ですから。
自分も心中したれ、という気持ちで飛び込んでいきました。

そこに関しては、今も後悔はないし
「あれがトラウマになって春日は新作評をしない」ということでもありません。

ただ、一つ気づいたのは。」現場の熱さは必ずしも観客には届かない・・・ということ。

当然といえば当然のことなのですが、
これが、一度「現場」の空気に触れてしまうと見えなくなってしまう。

だから、映画を語っていく上での熱さと冷静さのバランスの重要性については、
あれから凄く考えました。

おそらく、以前の自分だったら「進撃の巨人」に際しても町山智浩さんの熱に突き動かされて、
飛び込んでいった気がします

自分は基本的に直情的な人間だし、心意気を第一義に動くところがあるから、
「適温」で過ごすということは今後も難しいのかなと思っています。
ただ、「中の人間」に心酔し過ぎて「観客の目」を忘れてはならない。
その戒めはあります。
そこが、香取座頭市を経ての今の自分なのかな、と。

あえて、今さらになって、
今でもたまに聞かれることのある「香取座頭市」評への全てを書いてみました。
これでもまだいろいろと言う人はいるかと思いますが、
以上が自分の偽らざる全てです
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「二人の軍師」面白かった!

テレ東の新春大型時代劇「二人の軍師」は
久々の「男くさい骨太時代劇」でした。

何より主演の高橋克典が素晴らしい。
あそこまで「時代劇の芝居」が出来る男とは・・・
時間を追うに従って「黒田官兵衛」という男を自分のものにしていった。
特に終盤の「九州掠め取り」に向かっていく表情は
もう熟練の戦国武者そのもの。

もともと身体能力もあって華もある役者だから、
これから殺陣とかにも挑戦したり、
どんどん時代劇に出まくってほしいな。

今年も良い時代劇に出会えますように。

さ、1月3日はいよいよ大本命の登場ですぞ。

スカパーが初めて製作する時代劇「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」!
環境のある方は無料で観られます。
これは観ないと損な傑作です。

正月は「夜兎の角右衛門」を観よう

スカパー視聴者の皆様。
正月3日は「夜兎の角右衛門」をぜひ!

http://www.jidaigeki.com/yousagi/

ついに時代劇専門チャンネルが京都時代劇退潮に歯止めをかけるべく立ち上がりました!
みんなで応援しようっ!

ドラマ自体も最高のスタッフと最高のキャストで描く人間の闇に迫る奥深いもので、
「ぬるい話はもうたくさん!」という方々には絶対にオススメです。

あと「最後の忠臣蔵」もヨロシク!
苦しい興行になっていますが、
「これぞ京都の時代劇」という全てが注ぎ込まれた傑作です。

劇団民藝「どろんどろん」を観た

遅ればせながら、
紀伊国屋サザンシアターに
劇団民藝「どろんどろん」を観劇してきました。

「四谷怪談」初演をめぐる内幕モノを、
「戸板返し」の仕掛けを初めて作った職人たちの立場から描いた作品。
有名な役者・戯作者と無名な裏方たちの意地とプライドをかけたぶつかり合いに、
泣き・笑い、そして震えました。

名作の陰には目には見えない裏方たちの創意工夫がある。
そこには彼らならではの戦いとドラマがある。

こうした視点やテーマは
自分の次回作、次々回作、次々々回作のまさにそれ
(というか前作、前々作もそうか
・・・というか自分の物書きとしての視点やテーマがそこにあるんだわな、結局)
なだけに、大いに刺激を受けました。

劇の喝采の裏側にある名もなき人々のドラマ。
やっぱりいいよなあ、とつくづく。

それからやはりなんといっても大滝秀治の存在感。
硬軟自在にいろんな感情を自在に瞬時に表現しながら、
「頑固だけど粋で器が大きい」「昔気質な江戸っ子」
鶴屋南北を見事に演じたんですが。

そこにいるだけで圧倒的な何かを醸し出しながら、
決して支配的でない。
本当に自然物のようのそこにいる。
「風のような存在感」というとクサイ例えな感じもするが、
まさにそんな感じでした 。

やっぱり「本物の役者は凄い!」と改めて思しましたよ。

毎回、民藝さんは心地よいツボを押してくれます・・・

愛しき「最後の忠臣蔵」

先程「最後の忠臣蔵」の試写を観てきました。

これが「最後の映像京都の作品(しかもクレジットなし)」であること、
舞台になった小屋が「剣客商売」で藤田まことさんが暮らしていたセットであること、
そして懐かしい京都の情景と大映京都(嵯峨映画)の照明・・・
と、個人的な想いが爆発するトリガーだらけだったのもありますが・・・

何より作品自体がエクスキューズ抜きに素晴らしい!

完璧な脚本、完璧な演出、完璧なスタッフワーク
そして・・・完璧な役者たち!

ここまで全てが揃った時代劇も近年珍しいのでは。

2000年代の時代劇作品では、
テレビ版「蝉しぐれ」やテレビ版「壬生義士伝」とタメを張る傑作です。

一言で言えば「荘厳」。

抑制された役所広司の演技と、
それを的確に切り取るコンテ。
感情のしみ込んだ無駄のない台詞。
それを包み込む美しい京都の景観。

久々京都発の「本物の時代劇映画」です。

あと、何より。
桜庭ななみを観ているだけで幸せな気分になれます。

公開は12月18日。
絶対にお見逃しなきよう。

ビッグなスペシャル!

「モヤさま」のままボケッとテレ東つけてたら、
そのままCM無しで『日曜ビッグスペシャル』に突入。

で、企画はというと・・・

「美人女将のど自慢」!!!

いろんな温泉地の「美人女将」がスタジオで身上話を語り、
その上で歌を披露。
それをゲストが審査して大賞を決めるという・・・

あまりの唐突さ、時代錯誤さに唖然としつつ、
「これぞテレ東!」と思わず興奮してしまいました。
しかもゲスト審査員に梅沢富美男と平尾昌晃。
「さすがテレ東!! 」と唸る。

という訳で。

以下、気になった女将さんたちの雑感を羅列してみます。

・山口の女将、35歳とは思えない貫禄。
でも歌声は緊張のためナチュラルにビブラート。少し萌える。

・ 長野志賀高原のCM出演歴もある女将は自意識過剰ぶりが凄い。
いちいちリアクションの大きい顔芸や入浴シーンなど押さえどころもバッチリで、
平尾プロデュースでデビューしてほしいと思った。
その時は、もちろん『必殺』最新作の主題歌で。

・今ゴールデンでこの人たちの唄う美空ひばりを流すテレビ局の度胸は凄まじい。
そう思わせるほど、伊豆の老母娘のパフォーマンスは
温泉のカラオケコーナーのようなフリーさを感じさせるカオスだった。

・庄内の24歳の新婚若女将は「津軽海峡冬景色」。
結構うまい。衣装はなぜか振り袖。

・京都の借金女将はやつれ方が心配になった。

・ 高山の育乃さん、ヤサグレた感じの目と声がイイ。五社英雄の映画向き。
仕事終わりに一人焼き肉するあたりが可愛らしい。

・江波杏子似の大分女将が歌う「赤いスイートピー」。
ルックスに似合わずガチガチに緊張しているのに萌える。

・蓼科のIT女将、いい感じでムチムチしてた。
31歳とは思えない、中村登の映画に出てきそうな朴訥とした風情。
心地よい音痴さ。

・作州の若づくり女将、女子高生のコスプレで登場。
これは妖しい。
ただ、変な店の女性と違い、リアルな制服をリアルに着こなしているところに好感を覚える。

・宮崎の女将、ステージの佇まいが完全にプロ。
横顔が三条正人(東京ロマンチカ)そっくり。

・19歳で38歳の旅館経営者と結婚した女将。
ハスキーな「コスモス」に悲哀が。
客席の旦那(ハゲ)「「犯罪者と言われてます」

・で、CMで流れる「いすずトラックの歌」でシンミリした後、
大賞発表。
「ハナミズキ」を歌いながら亡父を思い出し号泣した修善寺の26歳若女将に。
つられて平尾先生も涙。
最後はお涙頂戴でキッチリ締める、安心と信頼のテレ東クオリティ。

「いい旅夢気分」や「土曜スペシャル」、それに「雲爺」。
やはりテレ東が最高だと言わざるをえまいて。

真の侍、現る!

シンケンイエローにしてアイドリング11号の森田涼花。

一見フワッとしたハンナリ系だが、
それだけでは済まされない強気な感じが前々から垣間見えていた。

で、それが爆発した感じなのが今日のフジテレビ739「アイドリング!!!」。

ドッジボール対決をメンバー間でしていたんだけど、
ボールを当てられる度に見せる森田のガチギレな表情が凄まじすぎた。
しかも絶叫系のキレ方でなくて、静かに内側に溜め込む感じの切れ方だから、
醸し出す「張りつめた空気」は尋常でないものがあった。
特にその目力は夢でうなされそうなほどの迫力。

で、なぜそこまで切れたのか。
その真相が番組プロデューサー・門澤氏のツイートに。
http://twitter.com/seitakadosawa

~~~
ドッジボール終了後、森田涼花はポツリと僕に語りました。勝敗ではなくて、あの時に一瞬背中を見せた自分が悔しいんです」と。侍か?
~~~

ラオウとかサウザー級のプライド……
これは惚れてしまうしかあるまいて。

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職業:
著述業
自己紹介:
時代劇・日本映画・テレビドラマの研究家です。

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